独立・起業時に選ばれる会計ソフト3選を徹底比較
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- コラム
今回は「会計システム」についてお伝えします。会計業務について苦手な人も多いのではないでしょうか。ただビジネスを行う以上、会計業務から逃れることはできません。独立まもないフリーランスのコンサルタントにとって確定申告などはできるだけスムーズに済ませたいものですよね。そんなお困りのみなさんの力になってくれるのが「会計システム」です。会計システムといっても、それぞれの機能の特徴を踏まえて導入に踏み切ることが大切です。今回は各システムの機能や料金を比較してみました。
目次
フリーランスにおすすめの会計システムとは?
会計システムの特徴は、簿記会計になじみのない人でも使いやすいという点です。例えばインターネットバンキングやクレジットカードと連携して明細を自動取得して自動仕訳を行う機能は、クラウド会計システムであれば、ほぼデフォルトで備わっています。またインストール型でも明細をデータ化して取り込めば自動仕訳は可能です。今回は「弥生会計オンライン」「freee」「Money Forwardクラウド」の3つの会計システムを比較します。いずれもインターネットバンキングやクレジットカードと連携して明細を自動取得する自動仕訳などの機能を備えた人気の高い会計システムです。
弥生会計
会計ソフトといえば、「弥生会計」を思い浮かべた人も多いのではないでしょうか。個人事業主だけでなく、税理士法人まで幅広く利用していて、会計ソフトのランキングでは毎回1位か2位です。専門家の間でも知名度および信頼ともに高い製品です。
機能
<自動仕訳の機能>
自動仕訳は、「スマート取引取込」と呼ばれる機能で専用のシステムで外部データと弥生会計のソフトを連携させます。インターネットバンキングやクレジットカード、POSレジシステムの売上データなどさまざまな外部情報と連携することが可能で、複数の仕訳を一括登録できます。
<手動の仕訳機能>
手動での入力は、「かんたん取引入力」と「仕訳の入力」を選択できます。「かんたん取引入力」は、「収入」「支出」のどちらかを選び項目に沿って入力すれば仕訳が完成します。「仕訳の入力」は、借方・貸方で勘定科目や金額を打ち込む入力に慣れた人向けの機能です。
会計以外の機能
弥生会計は会計のみの機能となります。請求書の発行や給与計算まで行いたい場合は「Misoca」や「やよいの給与明細オンライン」を検討しましょう。
freee
弥生会計がインストール型会計ソフトでナンバーワンであるのに対して、freeeはクラウド型でシェアナンバーワンです。簿記の知識などなくても簡単に経理書類ができてしまう優れモノで、わかりやすさが人気の秘訣です。
機能
<自動仕訳の機能>
freeeも外部データとの連携による自動仕訳機能がついています。例えばインターネットバンキングやクレジットカード、電子マネーなどさまざまな決済サービスの情報と同期させて自動で仕訳を推測してくれます。推測された仕訳は、パソコンとスマートフォンからも登録作業を行えます。
<手動仕訳の機能>
手動による入力方法は、現金収支を「決済済み」「未決済」に分けることが必要です。項目に沿って入力することで仕訳を作成する方法やレシート類をスキャナやスマホ撮影で画像データにし、freeeの「ファイルボックス」に取り込むことで仕訳を提案してくれる方法などもあります。
会計以外の機能
法人設立に関して税務署などへの届出書類を無料で作成してくれる機能があり、開業時の書類の作成方法がわからない時にはおすすめです。また個人・法人ともに消費税申告書の作成に対応しています。
Money Forwardクラウド
Freee同様、クラウド型の代表格といえる会計ソフトです。利用料金では弥生会計やfreeeと比べて安いのが特徴です。
機能
<自動仕訳の機能>
インターネットバンキング、クレジットカード、POSレジデータなどと連携し各明細データから自動で仕訳を行うことができます。自動仕訳は、内容を確認したのち登録を行いますが、Money Forwardクラウドは、複数の仕訳を一括登録する機能もあります。
<手動仕訳の機能>
手動で仕訳を入力する場合は4つの入力方法があり、選択が可能です。現金などの収支から項目に沿って入力する初心向けの「簡単入力」。伝票から借方・貸方に鑑定科目や金額を入力する入力方法で経験者向けの「振替伝票入力」。仕訳を連続的に入力する方法で経験者には使いやすい「仕訳帳入力」。取引先などからシステムで勘定科目を推測してくれる方法で同じ取引先から請求書が小分けで届く場合など特定のケースで役立つ「取引から入力」。
会計以外の機能
会計システムのほかに以下の5つのサービスプランがあります。
・個人の確定申告
・請求書管理システム
・経費精算システム
・給与計算システム
・マイナンバー管理システム
3つの会計ソフト料金比較
会計システム名 | 弥生会計 | freee | Money Forwardクラウド |
---|---|---|---|
料金 |
【法人】 年額:2万6000円~ 【個人】 無料~ |
【法人】 月額:2380円~ 年額:2万3760円~ 【個人】 月額:980円~ 年額:9800円~ |
【法人】 月額:3980円~ 年額:3万5760円~ 【個人】 月額:1280円~ 年額:1万1760円~ |
それぞれに向いている事業
(1)従業員を雇う予定の方
Money Forwardクラウドがおすすめです。従業員を雇い、今後、給与計算、経費精算、マイナンバー管理など複数のサービスを使う予定の人には最適です。
(2)決算と確定申告だけの利用を想定の方
freeeがおすすめです。会計システムの利便性はもちろん、簿記の知識がなくとも入力しやすい点や安価な利用料が魅力です。
(3)自動仕訳をフル活用したい方
どの会計システムでも効率的に経理ができるよう工夫されていますが、あえて1つ決めるならfreeeをおすすめです。「自動登録ルール」を設定することにより明細データを自動で登録することができ経理の効率化が図れます。
(4)経理経験者がいる事業
弥生会計とMoney Forwardクラウドがおすすめです。経理に慣れた人にとっては、初心者向けの入力画面はかえって使いづらいため、さまざまな入力ができるためです。
(5)迷ったら弥生会計オンライン
料金や機能のバランスが良いのは弥生会計です。どのような事業でも必要なサポートを十分に受けられます。
最後に
まとめると、総合力は「弥生会計」。操作性は「freee」。コストパフォーマンスは「Money Forwardクラウド」になります。自分のビジネスにとって有効なシステムはどれかを考え、コラム参考に気に入ったものを実際に使ってみることをおすすめします。