RPAコンサルタントとは
RPAコンサルタントは、企業の業務効率化や従業員の負担軽減を目的とし、
RPAソフトウェアの導入と最適化を支援する役割を担っています。
RPAソフトウェアを活用した業務改革の支援と説明するとわかりやすいでしょう。
政府の働き方改革が推進されて以来、労働者の時間的負担を減らす手段としてRPAが注目されています。
特に日本では少子高齢化による労働力不足が課題となっているため、RPAの導入が重要視されています。
そもそもRPAとは？
RPA（Robotic Process Automation）は、業務をソフトウェアロボットに実行させる技術で、「仮想知的労働者（Digital Labor）」とも呼ばれます。
近年、AIや機械学習などの認知技術の進歩により、多くの業務が自動化可能になりました。
以前のAIは実務に適さないものでしたが、現在のRPAは幅広い業務を自動化できるまでに進化しています。
これにより、RPAを導入し、業務改革を進める企業が増えており、RPAコンサルタントの需要が高まっています。
RPAコンサルタントの仕事内容とは？
RPAコンサルタントは、各部署の業務をヒアリングし、RPA導入の意思決定を支援する専門家です。
導入後は、運用効果の検証やツールの保守を行い、RPAの最適化を図ります。
また、ユーザー部署の従業員に操作方法を教え、RPA導入が負担軽減やコスト削減に貢献しているかを分析します。
RPAの効率化と効果的な運用を支援することで、企業の業務改革を推進します。
RPAコンサルタントは激務？
現在のITプロジェクトに関わるコンサルタントは、専門知識や実務経験、広範なビジネス情報が求められるため、激務とされています。
適任者が限られるため、所属企業やクライアント企業にとって貴重な存在です。
転職時には労働条件について配慮を求めることも可能です。
RPAコンサルタントは、長期間にわたり経営陣と協力してRPA導入と運用を進める責任があります。
時には激務を強いられることもありますが、ワークライフバランスを意識することが重要です。
RPAコンサルタントになるには
資格は必要？
RPAコンサルタントとして理想の職場を見つけるためには、
業界に精通したプロの人材派遣事業者に登録し、情報収集するのが効果的です。
特に、ITプロジェクトの上流工程に関与した経験やSEとしての経歴を持つ人は重宝されます。
未経験者は自己研鑽が必要で、例えばIT以外の業務知識の習得や英語力の向上、RPA以外のソフトウェアの知識を身につけることが推奨されます。
必要な資格はないものの、有利になる資格は存在します。
RPA技術者検定
RPAコンサルタントを目指すなら、NTTデータが開発したRPAツール「WinActor」の知識を問う「RPA技術者検定」が有利です。
この検定はアソシエイトとエキスパートの2つのレベルがあり、エキスパートを取得するとクライアントからの評価が高まります。
合格率は非公開ですが、WinActorのマニュアルや過去問題から出題されるため、ツールに触れシナリオを自作する練習が有効です。
アソシエイトはオンラインで毎日受験可能です。
UiPath RPA 資格試験
「UiPath RPA 資格試験」は、RPAプロジェクトの知識やRPAコンサルタントとしての実力を証明する資格です。
UiPath社が開発したRPAソフトウェアの操作や関連知識が試験の中心で、合格するとUiPath社認定のRPAコンサルタントとして名乗ることができます。
この資格には、RPAの基礎知識を問う「アソシエイト」と上級者向けの「デベロッパー上級」の2つのレベルがあります。
RPAコンサルタントに求められるスキル
RPAコンサルタントの求人は、年収が高い案件が多いですが、求められるスキルや知識レベルも高いです。
キャリアアップを目指すなら、しっかりとした準備が必要です。
求められる人材には、RPAツールの深い知識、実務経験、プロジェクト管理能力が含まれます。
また、RPAの導入から運用まで幅広く対応できる能力も重視されます。
キャリアを進めるためには、これらの要件を満たすことが重要です。
RPAプログラミングの知識
一般的なコンサルタントと比較して、RPAコンサルタントはロボットに関する知識が必要です。
企業にRPAの概念を理解させるために「ロボット」という表現を用いるとイメージしやすくなります。
RPAは「ITツール」であり、AIロボットではなく、マニュアル通りの動きしかできない「単純なロボット」として捉えるべきです。
RPAのメリットは正確で高速な業務処理です。
従業員がRPAを使いこなすためには、コンサルタントが業務フローを解釈し直し、プログラム設計のスキルも必要です。
一般的なコンサルタントと比べると、RPAコンサルタントはロボットに関する知識を必要とされるのが大きな違いです。
企業側にRPAの概念を理解させるためには、「ロボット」という表現を用いる方がイメージしやすくなります。
もちろん、RPAは「ITツール」であってロボットでもAIでもありません。
しかし、導入を検討する企業側は、ITシステムと捉えるよりはるかに理解しやすいのです。
RPAについては、すでに「仮想知的労働者」と先述しましたが、人間のような考えを持つAIロボットではなく、マニュアル通りの動きしかできない「単純なロボット」と仮定しましょう。
単純なロボットとはいえ、RPAは正確で圧倒的に業務処理速度が速いのがメリットといえます。
現場で使用する従業員が指示を出して仕事を覚えさせ、自分の業務と分担するプロセスが必要不可欠です。
使う側とITツールとをつなぐ「言葉」を使いこなせることがコンサルタントに求められます。
業務フローをロボットが理解できるよう解釈し直すのはコンサルタントの作業です。
そのため、プログラミング知識も必要です。
コンサルタントがプログラム設計書を書くことも多いため、プログラム設計のスキルは必須といえます。
RPA導入が進む経理や財務知識
RPAの導入に際して、コンサルタントはユーザー部署の業務知識が不可欠です。
全ての部署の詳細な業務を理解するのは難しいですが、経理や財務の基本的な知識を持つことは大きなアドバンテージとなります。
専門用語が通じることで、クライアントとのコミュニケーションが円滑になり、信頼を得やすくなります。
経理業務の知識があれば、RPA導入の利点や課題を的確に伝え、ヒアリング過程での情報漏れを防ぐことができます。
経理の知識は他のクライアント企業でも活かせるため、RPAコンサルタントを目指す場合は、まず経理財務の知識を学ぶことが有効です。
また、医療や金融、不動産などの業界でもRPAの導入が進んでいます。
医療業界では製薬会社の治験業務にRPAが活用されることが多く、PMDA申請の標準フローを知っていると有利です。
金融や不動産業界では、ローン審査でRPAが活用され、規約や届出書類の専門知識があると有望な人材として活躍できます。
ロジカルシンキングスキルとコミュニケーションスキル
RPAに限らず、コンサルタントにはヒアリングスキルが欠かせません。
ユーザー部署から情報を引き出し、潜在ニーズを見つけるために必要です。
多くの従業員は、自分の業務を説明するのが難しく、RPAコンサルティングでは業務項目のリストアップと構造化が求められます。
しかし、「RPA導入＝人員削減」という誤解を避けるため、労働負荷の軽減とクリエイティブな仕事への注力が目的であることを強調する必要があります。
抵抗感を和らげ、円滑なコミュニケーションを築くスキルが重要です。
RPAの導入にあたっては、対象業務の選定でコンサルタントにはユーザー部署の業務知識が求められます。
すべての部署の詳細な業務を完全に理解することは難しいですが、一定の知識があるだけで大きな差が生まれます。
例えば、現在RPA導入が進んでいる経理や財務の業務についての知識があることは大きなアドバンテージです。
クライアント企業の立場からすると、コンサルタントが「売掛」「買掛」「消込」「源泉徴収」などの専門用語を理解しているかどうかは重要です。
これにより、コミュニケーションが円滑になり、クライアントの信頼感も高まります。
また、RPA導入のメリットとデメリットを的確に伝え、ヒアリング過程での情報漏れを防ぐことができます。
経理業務はRPAの一大分野であり、経理財務の知識は他のクライアント企業へのコンサルティングでも役立ちます。
次に導入が多いのは医療や金融、不動産業界です。
医療業界では製薬会社の治験業務にRPAが活用されやすく、PMDA申請の標準フローを知っていれば採用率が上がります。
金融や不動産業界ではローン審査にRPAが活用され、規約や届出書類の知識があると有望な人材として評価されます。
RPA導入の目的は従業員の労働負荷を軽減し、クリエイティブな仕事に集中できる環境を作ることです。
従業員の心理的な抵抗感を和らげ、円滑なコミュニケーションを築くスキルを持つコンサルタントは、大きな価値を認められるでしょう。
RPAコンサルタントの将来性と注意点
業界の動向として、コロナ禍の影響もあり、ITツールの国内市場規模は2022年度に315億円に達すると予測されています。
多くの企業がRPA導入を急ぎ、その結果、RPAのスキルや経験のある人材の需要が高まっています。
大手人材派遣会社は2018年からRPA人材の育成に取り組んでおり、今後もこの動きは加速するでしょう。
RPAコンサルタントやRPAに関する知見を持つ人材は非常に求められています。
キャリアパスとしては、企業内のRPAコンサルやSEとして働く、RPAの知見を広める役割を担う、RPAコンサルタントとしてファームに所属する、または独立起業するなどが考えられます。
幅広い知識やスキルが求められる一方で、将来性が期待できる分野です。
一部では「RPAは廃れるのではないか」「RPA導入を渋る企業が多い」との声もありますが、これは導入コストや運用の難しさが理由とされています。
日本のレガシー文化や右へならえの姿勢も影響しています。
しかし、大手企業がRPA導入を進めれば、他の企業も追随し、RPAコンサルタントの需要が増えると見込まれています。
コロナ禍を経験し、働き方改革を進める企業が増えたことから、RPAへの関心は今後も高まるでしょう。