フリーランスからの再就職が難しい?再就職を求める理由と成功させるコツをご紹介
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「フリーランスの再就職が難しい」という考えは、一概にそうとは言えない状況になってきています。しかし、確かに、フリーランスから正社員への転身には、いくつかのハードルが存在するのも事実です。この記事ではフリーランスからの再就職が難しいといわれる理由と、対策を解説いたします。
目次
〈フリーランスからの再就職を考える人がいる理由〉
フリーランスとして活躍されていた人が、再び企業に属して働こうと考える理由は様々です。代表的な理由を4つ紹介します。
1.安定した収入を得るため
フリーランスはプロジェクト単位で報酬が支払われるため、安定した雇用保障もなく、収入が不安定になりがちです。また年齢が高齢になると参画できる案件が少なくなる傾向があり、老後の不安を感じて再就職を目指す人も少なくありません。
2.税金の負担を回避するため
フリーランスは自分で確定申告などの税務作業を行う必要があります。多くのフリーランスは収入源が複数あり、収支をすべて個人で管理しないといけないため、税務作業は複雑で時間のかかる作業です。間違って納税すると、罰金や追加納税が課されることもあります。
3.孤独を避けるため
基本的にフリーランスは一人で働くことが多いです。上司や同僚など、相談できる人が周りにいないため、サポート不足を感じたり、仕事に対しての悩みや達成感などを共有できない孤独感を感じることもあります。
4.社会保障を得るため
社会保障制度があることで、病気や失業などの将来起こりうるリスクに対する不安を軽減することができます。しかしフリーランスは、従業員と同じ社会保障を受けることができません。さらに退職金などの支給もないため、経済的な不安が大きくなります。
〈フリーランスの再就職が難しいと言われる理由〉
フリーランスから正社員への転職は、必ずしもスムーズに行えるとは限りません。なぜ、フリーランスの再就職が難しいと言われるのでしょうか。その理由を詳しく見ていきましょう。
1.雇用形態の違いによるギャップ
・自由度の低下
フリーランスは自分で仕事を選び、働き方を決められますが、正社員は会社の方針に従わなければなりません。会社組織の中で定時制や上下関係、報連相の文化などの会社特有の働き方への適応が難しいという印象を持たれる場合があります。
・評価基準の違い
フリーランスは成果主義が中心ですが、正社員はチームの一員として、他のメンバーに協力し目標達成に貢献できるか、会社全体の目標に貢献できるか、会社の文化や価値観に合致しているかも評価されます。
・労働時間
フリーランスは柔軟な働き方が可能ですが、正社員は決められた時間内で働かなければなりません。
2.キャリアの断絶とスキル評価の難しさ
フリーランス期間は職歴の空白と見なされる可能性があります。
・スキル評価の困難さ
フリーランスのスキルは多岐にわたるため、企業が求めるスキルと合致するかを評価しづらいことがあります。
・実績の証明
フリーランスの実績は、企業が求める形式で証明することが難しい場合があります。
3.給与交渉の難しさ
・希望年収
フリーランスの収入は変動するため、安定した収入を求める企業からすると、希望年収が合わない場合があります。
・市場価値
フリーランスの市場価値を客観的に評価することが難しく、適正な給与を提示するのが難しいことがあります。
4.企業側の不安
・企業文化への適応力
自由な働き方に慣れているフリーランスが、企業のルールや文化に順応できるか不安に思う企業もあります。
・コミットメント
長期的なコミットメントが求められる正社員の仕事に、フリーランスがどれだけ本気で取り組めるか、疑問に思う企業があります。
〈再就職活動で成功するための戦略〉
再就職活動は、新たなスタートを切るための大切なステップです。成功するためには、ただ漠然と求人を探すだけでなく、具体的な戦略を立てて行動することが重要です。
1.自己分析とキャリアプランの明確化
・フリーランスとしての経験から学びの深堀を行います。成功事例やクライアントからのフィードバックから自らの強みの特定、失敗事例や苦労した点から弱みの洗い出し、価値観や理想の働き方からやりたいことなどを明確にします。
・将来どのような仕事で活躍したいのか、具体的なキャリアプランを立てましょう。短期的な目標と長期的な目標を立て、目標達成のために必要なスキルや行動を明確にします。
2.スキルアップと経験の見える化
・希望する企業の求人情報を分析し、求められているスキルと現在のスキルを照らし合わせ不足しているスキルを補うために、資格取得や研修受講などを検討します。
・ポートフォリオを作成し、実績を具体的にアピールしましょう。過去のプロジェクトで得た成果や自分のスキル、デザインやプログラミングなどの具体的な作品を掲載します。
・数字で示せる実績は、企業に能力やスキルを客観的に評価してもらう上で効果的です。達成するために必要なスキルを結びつけて、企業にどのような貢献をもたらしたのか具体的に説明しましょう。
3.求人情報の収集と企業研究
・業界特化型や地域特化型の求人サイトなど、様々な求人サイトを活用し、自分に合った求人を探し出しましょう。
・入社後のミスマッチを防ぐため、興味のある企業について企業研究を行います。企業理念やミッションが自分の価値観と合致しているか、どのように貢献できるかなどを研究しましょう。
4.面接対策
・面接はフリーランスでの経験を具体的に語り、企業自身の価値を理解してもらう重要な機会です。課題に直面した時の解決方法や、自主的に仕事を進め最後までやり遂げた経験、変化の激しい環境で働き、柔軟に対応した経験などを説明しましょう。
・企業への質問は熱意を示すだけでなく、企業についてより深く理解するための良い機会です。企業の事業展開や働き方、社内の雰囲気、入社後のキャリアパスなど事前にホームページを確認して質問を用意しておきましょう。
・模擬面接では本番の緊張感を体験し、改善点を見つけることができます。客観的な意見をもらえる人に協力してもらい、フィードバックを受け、面接に向けて改善しましょう。
5.転職エージェントの活用
・専門的な知識と経験を持つエージェントからアドバイスや求人の紹介を受けることができため、転職活動をスムーズに進めることができます。転職エージェントを利用するメリットは、非公開求人(一般公開されていない求人)を紹介してもらえる、自身の強みや弱み、キャリアプランについて客観的なアドバイスを受けることができる、書類サポート、企業との連絡の代行などです。
6.人脈の活用
・人脈も、転職活動において一つの武器です。興味のある業界や職種に詳しい知人・友人に相談をしてみましょう。また、人脈を通じて業界の情報や企業の評判を収集することで、求人情報だけでは把握できない情報も知ることができます。
7.キャリアカウンセリングの利用
・専門家の客観的な視点から、キャリアについてアドバイスを受けられます。自身では気が付かなかった強みや弱みを分析してもらえたり、キャリアプランの制作や面接をサポートしてもらうことで、モチベーションを維持して転職活動に取り組むことができます。
〈フリーランスからの再就職:具体的な成功事例と戦略〉
フリーランスから正社員への転身は、多くの方が抱える悩みであり、同時に大きなチャンスでもあります。自由な働き方から安定した環境を求める、スキルアップしたい、チームで働きたいなど、再就職を検討する理由は人それぞれです。
ここでは、様々な業界のフリーランスがどのように再就職に成功したのか、具体的な事例と、再就職活動で成功するための戦略を詳しく解説していきます。
1.Webデザイナー
■フリーランスでの経験:個人事業主として、中小企業のウェブサイト制作やECサイト構築を多数手がけてきた。
■再就職先:大手ECサイト運営会社
■成功のポイント:
○ポートフォリオの質: 自身の制作実績をまとめた高品質なポートフォリオを作成し、デザインスキルと実績を具体的にアピール。
o企業文化へのフィット: 面接で、企業の理念やビジョンに共感していることについて熱意を持って伝えた。
oチームワークを重視: フリーランスとして培ったコミュニケーション能力を活かし、チームワークを重視する姿勢を示した。
2.プログラマー
■フリーランスでの経験:クラウドサービスの開発やシステム設計に携わってきた。
■再就職先:スタートアップ企業
■成功のポイント:
o技術力の証明: GitHubなどのプラットフォームで公開しているソースコードや、開発したシステムのデモを見せることで、技術力を客観的に示した。
o成長意欲: スタートアップ企業の成長に貢献したいという強い意欲を表明し、企業のビジョンに共感していることを伝えた。
o柔軟性: 急な仕様変更にも対応できる柔軟性や、新しい技術を積極的に学ぶ姿勢をアピールした。
3.ライター
■フリーランスでの経験: 雑誌記事、Web記事、企業の広報資料など、幅広いジャンルの記事執筆経験を持つ。
■再就職先:広告代理店
■成功のポイント:
o多様な執筆経験: 様々なジャンルの記事を書いた経験を具体的に説明し、適応力の高さをアピール。
oコミュニケーション能力: クライアントとのやり取りで培ったコミュニケーション能力を活かし、チームでの仕事に貢献できることを示した。
o企画力: 記事の企画から執筆までを一貫して行ってきた経験を活かし、新しい企画を提案できることをアピールした。
〈フリーランスから正社員へ再就職した後、注意すべき点〉
フリーランスから正社員へ再就職するということは、働き方や環境が大きく変化することになります。これまでの自由な働き方から、組織の一員として働くことになり、様々なことに注意が必要です。
1,再就職後に注意すべき点
1.組織への適応
・ルールやマナー: フリーランスでは自由に働いていたかもしれませんが、会社には守らなければならないルールやマナーがあります。
・コミュニケーション: チームで仕事をするため、円滑なコミュニケーションが不可欠です。
・上下関係: フリーランスではフラットな関係で仕事をしてきた人もいるかもしれませんが、会社には上下関係があります。
2.働き方の変化
・労働時間: フレックス制など、ある程度の自由度がある場合もありますが、基本的には決められた時間内で働かなければなりません。
・仕事内容: フリーランスでは自分で仕事を選んでいましたが、会社では割り当てられた仕事をこなす必要があります。
・評価制度: フリーランスでは成果主義が中心でしたが、会社ではチームへの貢献度や上司からの評価も重要になります。
3.キャリアパス
・キャリアプラン: フリーランスでは自分のペースでキャリアを築いてきましたが、会社では会社のキャリアパスに沿って進む必要があります。
・キャリアアップ: 会社の評価制度や社内規定に基づいて、キャリアアップを目指していく必要があります。
4.人間関係
・同僚との関係: フリーランスでは一人で仕事をすることが多かったかもしれませんが、会社では同僚との関係が仕事に大きく影響します。
・上司との関係: 上司からの指示を的確に理解し、遂行する必要があります。
2.成功するためのポイント
•変化を受け入れる: フリーランスから正社員への転換は大きな変化です。この変化を受け入れる柔軟な姿勢が大切です。
•コミュニケーションを大切にする: 周りの人々と積極的にコミュニケーションを取り、関係性を築くことが重要です。
•学習意欲を持つ: 新しい知識やスキルを積極的に学び、成長していく姿勢が求められます。
•目標を設定する: 短期的な目標と長期的な目標を設定し、キャリアアップを目指しましょう。
•健康管理: 仕事とプライベートのバランスをとり、健康に気を配ることが大切です。
〈フリーランス経験は必ずしもマイナスではない〉
フリーランスの経験は必ずしもマイナスではありません。むしろ以下の点で評価される可能性があります。
1.高い自立性と責任感
フリーランスは、企業に属さずに一人で仕事を進めるため、これらの能力が特に求められます。そのため、フリーランス経験者は、企業においても、与えられた仕事を責任を持って遂行し、目標達成に貢献できる人材として期待されます。
2.多様なスキル
フリーランスは、一つの企業に縛られることなく、多様なクライアントとの仕事を通して、幅広いスキルを身につける機会が多いです。そのため、企業においても、新しいプロジェクトへの対応や、変化の激しいビジネス環境に対応できる柔軟な人材として期待されます。
3.柔軟な働き方
フリーランスは、自由な働き方を選択できる一方で、常に変化に対応し、新しい環境に適応する必要があります。そのため、企業においても、変化を恐れず、新しいことに挑戦できる人材として期待されます。
4.フリーランスとして継続する道
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〈まとめ〉
フリーランスからの再就職は、決して不可能ではありません。 むしろ、フリーランスとして培ってきた独自のスキルや経験は、企業にとって魅力的な要素となるケースが多くあります。
再就職を成功させるためには、以下の点を意識することが大切です。
・自分の強みを明確にする: フリーランスとして活動してきた中で、どのようなスキルを身につけてきたのか、どのような実績があるのかを具体的に整理しましょう。
・企業研究を徹底する: 応募する企業の事業内容、企業文化、求める人物像などを深く理解し、自分の強みを企業のニーズと結びつけることが重要です。
・転職活動の準備を万全にする: 履歴書や職務経歴書を丁寧に作成し、面接対策も入念に行いましょう。
・転職エージェントの活用: 専門家からのアドバイスや、非公開求人の紹介を受けることで、効率的に転職活動を進めることができます。
フリーランス経験は、あなたのキャリアにおける大きな財産です。 この経験を活かし、新たなステージで活躍するための第一歩を踏み出しましょう。