会社員とフリーランスの掛け持ちに必要な手続きやメリット・デメリットを解説
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- コラム
会社員としての本業を持ちながら、フリーランスとして副業を行うことは、収入の増加やスキルアップ、キャリアの幅を広げるといった魅力的な選択肢です。しかし、掛け持ちには様々な手続きや注意点も存在します。この記事では、会社員とフリーランスの掛け持ちに必要な手続き、そしてそのメリットとデメリットを詳しく解説します。
目次
〈会社員とフリーランスの掛け持ちをする前に知っておくべきこと〉
会社員とフリーランスの掛け持ちは、収入を増やしたり、新しいスキルを身につけることができるなど、多くのメリットがあります。しかし、税金や社会保険、労働時間など、様々な点に注意する必要があります。掛け持ちを始める前に、しっかりと準備を行い、専門家(税理士、社会保険労務士など)に相談することをおすすめします。
1. 会社の就業規則を確認する
●副業の定義
会社によっては、副業の定義が明確にされていない場合があります。アルバイトやパート、オンラインでの活動など、どのようなものが副業に該当するのか、事前に確認しておきましょう。
●禁止事項
副業が認められている場合でも、競合他社の仕事や、会社の業務に支障をきたすような仕事は禁止されていることがあります。
●許可申請の手続き
副業を始める際には、会社に許可申請が必要な場合があります。申請書や誓約書などの提出を求められることもあるので、事前に準備しておきましょう。
●兼業禁止の例外
会社の業績が悪化している場合や、会社が人手不足に陥っている場合など、特別な事情により、副業が禁止されることがあります。
2. 税務上の取り扱い
●確定申告の必要性
フリーランスとして得た収入が年間20万円を超える場合は、確定申告が義務付けられます。20万円以下であっても、経費が多額にかかっている場合や、確定申告することで税金が戻ってくる可能性がある場合は、確定申告を行うことをおすすめします。
●事業所得と雑所得
・事業所得
継続的に行う事業から得られる収入が事業所得に該当します。例えば、ブログ運営やプログラミングなどの仕事がこれに当たります。
・雑所得
一時的な収入や、不定期に行う仕事から得られる収入が雑所得に該当します。例えば、アンケートモニターやコンサルティングなどの仕事がこれに当たります。
●青色申告
事業所得として申告する場合、青色申告を行うことで、所得控除額が大きくなり、税負担を軽減することができます。
●経費の扱い
フリーランスの仕事にかかった経費は、所得から控除することができます。パソコン代、通信費、交通費など、事業に必要となる経費はしっかりと把握しておきましょう。
3. 健康保険・年金
●国民健康保険
フリーランスになると、会社から加入していた健康保険から国民健康保険に切り替える必要があります。国民健康保険料は、所得に応じて決定されます。
●国民年金
同じく、国民年金に加入する必要があります。国民年金は老齢年金、障害年金、遺族年金などの給付を受けるための保険です。
●雇用保険
フリーランスは雇用保険に加入できないため、失業した場合には失業給付を受けることができません。
●退職金
会社員であれば、退職金制度がある場合がありますが、フリーランスには退職金制度がありません。
4. その他
●労働時間
フリーランスは、基本的に自分のペースで働くことができますが、会社員としての仕事との両立は、時間管理が非常に重要になります。
●責任
フリーランスは、自分の仕事に対して全責任を負う必要があります。
●孤独感
会社員であれば、同僚や上司とコミュニケーションをとることができますが、フリーランスは一人で働くことが多いため、孤独感を感じることもあります。
〈会社員とフリーランスの掛け持ちについて必要な手続き〉
会社員とフリーランスの掛け持ちをする際には、会社への届け出や税務署への開業届の提出など、様々な手続きが必要になります。これらの手続きをしっかりと行うことで、トラブルを回避し、安心して副業に取り組むことができます。
1. 会社への届け出
●届け出のタイミング
副業を始める前、または開始後すぐに届け出るのが一般的です。会社によっては、事前に相談が必要な場合もあります。
●届け出の内容
・副業の内容
具体的にどのような仕事をするのか、業務内容や取引先などを明記します。
・勤務時間
本業との兼ね合いや、副業に費やす時間などを明確にします。
・収入の見込み
副業による収入の見込み額を記載する場合もあります。
・競業避止義務
会社の競合となるような仕事は避ける必要があることを確認します。
●必要な書類
会社が定めるフォーマットの他に、身分証明書のコピーや、副業先の契約書などが必要になる場合があります。
●注意点
届け出を出したからといって、必ず副業が認められるとは限りません。会社との間でトラブルにならないよう、しっかりと話し合いを行いましょう。
2.税務署への開業届の提出
●提出時期
フリーランスとして事業を開始してから1ヶ月以内に提出する必要があります。
●提出場所
事業所所在地の税務署に提出します。
●必要な書類
・開業届書
・身分証明書のコピー
・事業所の所在地が自宅の場合には、自宅の賃貸借契約書のコピーなど
●注意点
開業届は、確定申告を行うための前提となる手続きです。開業届を提出しないと、確定申告を行うことができません。
3. その他の手続き
●銀行口座の開設
・目的
フリーランスの収入と支出を明確に分けるため、専用の銀行口座を開設することをおすすめします。
・種類
普通預金口座だけでなく、振込手数料が無料になる口座や、家計簿機能がついた口座など、様々な種類の口座があります。
・メリット
収入と支出を把握しやすくなり、確定申告の際に役立ちます。
●確定申告の準備
・帳簿の作成
収入や経費を記録するための帳簿を作成します。
・経費の整理
事業に必要となる経費(パソコン代、通信費、交通費など)をしっかりと整理しておきましょう。
・確定申告の時期
翌年の3月15日までが確定申告の期限です。
●その他
・印鑑証明書
開業届の提出や、契約書の作成などに必要な場合があります。
・開業届の変更手続き
事業内容や住所が変更になった場合は、速やかに税務署に届け出ましょう。
〈掛け持ちのメリット〉
会社員とフリーランスの掛け持ちは、収入の増加やスキルアップなど、多くのメリットをもたらします。しかし、デメリットや注意点も存在するため、事前にしっかりと準備を行い、計画的に取り組むことが重要です。
1. 収入の増加
●多様な収入源
会社員としての給与に加え、フリーランスとしての収入が得られることで、収入が安定し、生活の質向上に繋がります。
●副業収入の自由度
副業の収入は、自分のスキルや時間の使い方によって調整できるため、収入目標に合わせて柔軟に対応できます。
●経済的な余裕
収入が増えることで、貯蓄や投資、自己開発など、将来に向けた資金を確保しやすくなります。
2. スキルアップ
●新たなスキル習得
本業では経験できないスキルや知識を習得し、自己成長を促します。
●多様な働き方
複数のクライアントやプロジェクトに関わることで、多様な働き方を経験し、適性を見つけることができます。
●ポートフォリオの充実
フリーランスとしての実績をポートフォリオとして蓄積することで、今後のキャリアアップに繋げることができます。
3. キャリアの幅が広がる
●キャリアの多様化
会社員としてのキャリアだけでなく、フリーランスとしてのキャリアも築くことで、キャリアの選択肢が広がります。
●独立の準備
将来的に独立を検討している場合、フリーランスとしての経験は、独立するための準備段階として役立ちます。
●転職活動の優位性
フリーランスとしての経験は、転職活動において大きなアピールポイントとなります。
4. 時間の有効活用
●時間の自由度
自分のペースで仕事を進めることができるため、時間管理のスキルが向上します。
●スキマ時間の活用
通勤時間や家事の合間など、スキマ時間を有効活用して副業を行うことができます。
●ワークライフバランスの改善
自分の時間を自由に使えることで、ワークライフバランスが改善され、生活の質が向上します。
5. その他のメリット
●自己実現
自分のスキルや経験を活かして、新しいことに挑戦し、自己実現を達成できます。
●人脈拡大
様々な人と出会う機会が増え、人脈が広がります。
●モチベーション向上
新しいことに挑戦することで、モチベーションが向上し、仕事に対する意欲が湧きます。
〈掛け持ちのデメリット〉
会社員とフリーランスの掛け持ちは、収入を増やしたり、新しいスキルを身につけることができるなど、多くのメリットがありますが、デメリットも存在します。これらのデメリットをしっかりと理解し、事前に対策を講じておくことが重要です。
1. 時間的な負担
●睡眠不足
両方の仕事をこなすために睡眠時間を削らざるを得ない状況になり、健康を損なう可能性があります。
●疲労の蓄積
長時間労働や睡眠不足により、慢性的な疲労に悩まされる可能性があります。
●集中力の低下
複数のタスクを同時にこなすことで、集中力が低下し、ミスが増える可能性があります。
●プライベート時間の減少
家族や友人との時間、趣味の時間などが減少し、人間関係や心のバランスが崩れる可能性があります。
2. 心理的な負担
●ストレス両方の仕事をこなすことによるプレッシャーや、収入の不安定さからストレスを感じることがあります。
●疲労感
体だけでなく、心身に疲労が蓄積され、うつ病などの精神疾患につながる可能性もあります。
●孤独感
フリーランスの仕事は孤独な作業になることが多く、孤独感を感じることがあります。
●焦燥感
両方の仕事を完璧にこなそうとするあまり、焦燥感に駆られることがあります。
3. 金銭的なリスク
●収入の不安定さ
フリーランスの仕事は、案件の獲得や単価が変動するため、収入が安定しないことがあります。
●経費の発生
フリーランスの仕事には、パソコン代、通信費、交通費など、様々な経費がかかります。
●税金対策
確定申告など、税金に関する手続きが複雑で、誤った申告をしてしまうと、ペナルティを科せられる可能性があります。
4. 会社との関係性
●就業規則違反
会社の就業規則で副業が禁止されている場合、違反行為となり、懲戒処分を受ける可能性があります。
●情報漏洩
会社の機密情報が外部に漏洩してしまう可能性があります。
5. その他のデメリット
●スキルミスマッチ
フリーランスの仕事が本業のスキルと合致しない場合、スキルアップに繋がらないことがあります。
●市場の競争
フリーランスの市場は競争が激しく、安定した仕事を得るのが難しい場合があります。
●社会保障
フリーランスは、雇用保険や労災保険などの社会保障制度の対象外となることが多く、万が一の場合に備える必要があります。
〈掛け持ちを成功させるためのポイント〉
会社員とフリーランスの掛け持ちは、やりがいのある一方で、大変なことも多いです。成功させるためには、時間管理、健康管理、周囲とのコミュニケーション、そして専門家への相談など、様々な側面から注意を払う必要があります。
1. 時間管理を徹底する
●タスク管理ツール
Trello、Asana、Notionなどのタスク管理ツールを活用して、To Doリストを作成し、進捗状況を可視化することで、効率的に作業を進めることができます。
●時間割
1日のスケジュールを細かく時間割で区切り、各タスクに割り当てる時間を決めてみましょう。
●ポモドーロテクニック
25分作業し、5分休憩するを繰り返すポモドーロテクニックを取り入れることで、集中力を維持し、作業効率を高めることができます。
●締め切り管理
各タスクの締め切りを明確にし、逆算して計画を立てることが重要です。
●柔軟性
予定通りに進まない場合も想定し、柔軟に対応できるよう、計画に余裕を持たせることも大切です。
2. 健康に気を配る
●睡眠
質の高い睡眠を確保するため、寝る前のスマホの使用を控えたり、リラックスできる環境を整えたりしましょう。
●食事
バランスの取れた食事を心がけ、ビタミンやミネラルを積極的に摂取しましょう。
●運動
軽い運動を習慣にすることで、ストレス解消や体力維持に繋がります。
●リフレッシュ
仕事の合間に、短い休憩を取り、気分転換をすることも大切です。
●定期的な健康診断
定期的に健康診断を受けることで、早期に病気を発見し、治療を開始することができます。
3. 周囲に相談する
●家族
配偶者や子供など、家族に協力をお願いしたり、理解を求めたりすることが大切です。
●友人
同じように副業をしている友人や、経験豊富な人に相談してみるのも良いでしょう。
●上司
会社の上司に相談し、副業に対する理解を得ることで、安心して仕事に取り組むことができます。
●メンター
キャリア相談ができるメンターを見つけることも、モチベーション維持に繋がります。
4. 専門家への相談
●税理士
確定申告や税金に関する相談は、税理士に依頼することで、正確なアドバイスを受けることができます。
●社会保険労務士
社会保険や労働に関する相談は、社会保険労務士に依頼することで、適切な手続きを進めることができます。
●キャリアコンサルタント
キャリアに関する相談は、キャリアコンサルタントに相談することで、客観的な視点からアドバイスを受けることができます。
〈よくある質問〉
Q1. 会社員がフリーランスの仕事を始めることは法律で禁止されていますか?
A. 特に法律で禁止されているわけではありません。ただし、会社によっては就業規則で副業が禁止されていたり、制限されている場合があります。
Q2.フリーランスの収入はどのように申告すれば良いですか?
A. 会社員としての給与と合わせて確定申告が必要です。フリーランスの収入は事業所得または雑所得として申告します。
Q3. 確定申告はいつまでにすれば良いですか?
A. 翌年の3月15日までが確定申告の期限です。
Q4. フリーランスの仕事にかかった経費はどのように扱えば良いですか?
A. 事業に必要となる経費は、所得から控除することができます。パソコン代、通信費、交通費などが経費に該当します。
Q5. フリーランスとして働くにはどんな仕事があるの?
A. プログラミング、デザイン、ライティング、コンサルティングなど、多岐にわたります。あなたのスキルや経験に合わせて選ぶことができます。
〈まとめ〉
会社員とフリーランスの掛け持ちは、収入アップやスキルアップなど、多くのメリットをもたらしますが、時間的な負担や心理的な負担、そして様々な手続きなど、デメリットも存在します。掛け持ちを成功させるためには、事前にしっかりと準備を行い、時間管理を徹底し、健康に気を配ることが重要です。また、専門家のアドバイスを受けることもおすすめです。
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