フリーランスと自営業の違いとは?共通点とメリット・デメリットを解説

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2024.10.04
  • コラム

近年、働き方が多様化し、フリーランスや自営業といった働き方が注目されています。しかし、「フリーランス」と「自営業」という言葉は、しばしば混同されがちです。両者には似ている部分もありますが、明確な違いが存在します。

〈フリーランスと自営業の違い〉

1.定義の違い

1)フリーランス
フリーランスとは、特定の企業に属さずに、自らの技能を活かして仕事を請け負う「働き方」を指す言葉です。
企業と「雇用契約」を結ぶのではなく、プロジェクトやコンテンツごとに「業務委託契約」を行います。
●特徴
・自由な働き方: 時間や場所にとらわれず、自分のペースで働くことができる。
・多様な仕事: 自分のスキルや経験に合わせて、様々な仕事を選ぶことができる。
・顧客との直接契約: 顧客との直接的なやり取りを通じて、仕事を進める。
●例
・ITエンジニア
・デザイナー
・ライター
・翻訳者
・コンサルタント

2)自営業
自営業とは、会社に属さずに、自ら事業を営むことを指します。個人事業主だけでなく、中小企業の経営者も含まれます。
●特徴:
・事業のオーナー: 自ら事業の企画、運営、責任を負う。
・顧客開拓: 新規顧客を開拓し、リピート顧客を育成する。
・経営全般: 経理、人事、営業など、事業運営に必要なすべての業務に関わる。
●例:
・店主(飲食店、小売店など)
・美容師
・農家
・工務店
・コンサルティング会社経営者

2. 仕事の獲得方法の違い

フリーランスと自営業では、仕事獲得の方法に大きな違いがあります。フリーランスは、既存の顧客やプラットフォームを活用して仕事を探すのに対し、自営業は、自ら顧客を開拓し、商品やサービスを提供していく必要があります。
1)フリーランス
①クラウドソーシングサイト
●特徴:
・多数の案件が掲載されており、手軽に仕事を探すことができる。
・競争が激しい場合があり、単価が低いこともある。
・評価制度があり、実績を積むことで高単価な案件に繋がる可能性がある。
●主なサイト:
Lancers/CrowdWorks/Upwork/Freelancer

②人材紹介会社
●特徴
・専門的なスキルを持つ人材を企業に紹介する。
・高単価な案件を紹介してもらえる可能性がある。
・面接やスキルチェックなど、選考プロセスを経る必要がある。
●メリット
・自分に合った案件を紹介してもらえる。
・契約手続きや報酬の支払いなどを代行してくれる。

③ 直接顧客との契約
●特徴
・自身のスキルや実績をアピールし、直接顧客と契約する。
・高い自由度と報酬を得られる可能性がある。
・顧客開拓に時間がかかる。
●顧客獲得方法:
・ポートフォリオの作成
・SNSでの発信
・知人・友人の紹介
・展示会・セミナーへの参加

④ 既存の顧客から紹介など
●特徴
・一度取引をした顧客からの紹介は、信頼性が高く、成約率が高い。
・継続的な関係を築くことが重要。
●メリット
・顧客との信頼関係が深まる。
・紹介された顧客との契約はスムーズに進みやすい。

2)自営業
①自らの顧客を開拓し、商品やサービスを提供
●特徴
・マーケティング戦略を立て、ターゲット顧客を明確にする。
・商品やサービスの差別化を図る。
・広告、PR活動、営業活動など、様々な手法を用いて顧客を獲得する。
●顧客獲得方法
・ウェブサイトの作成
・SNSマーケティング
・SEO対策
・展示会への出展
・DM・チラシ配布
・電話営業

②店舗を構え、対面での販売を行う
●特徴
・実店舗を持つことで、顧客との直接的な接点が生まれ、信頼関係を築きやすい。
・商品を実際に見て触れることができるため、購買意欲を高めやすい。
・家賃や人件費など、固定費がかかる。
●メリット
・ブランドイメージの向上
・顧客とのコミュニケーションが円滑
・集客力向上

3.責任の範囲の違い

フリーランスと自営業では、責任の範囲が大きく異なります。
1)フリーランス
●契約範囲内の責任:
・契約書に明記された仕事内容に対して責任を持ちます。
・納期、品質、クライアントへの報告など、契約内容を確実に守ることが求められます。
●限定的な責任:
・事業全体の経営に関する責任は負いません。
・経営戦略の立案、資金調達、リスク管理などは、基本的にクライアントが行います。
●個々の案件ごとの責任:
・案件ごとに契約を結び、その範囲内で責任を果たします。
・複数の案件を同時進行する場合でも、各案件の責任は明確に分かれます。

2)自営業
●事業全体の責任:
・事業の企画、運営、経営に関するすべての責任を負います。
・顧客開拓、商品開発、資金調達、従業員の雇用など、事業の成功のために必要なすべての業務を担います。
●多岐にわたる責任:
・経営戦略の立案から、日々の業務遂行まで、幅広い範囲の責任を負います。
・法律や税務に関する知識も必要になります。
●リスクの共有:
・事業の成功だけでなく、失敗のリスクもすべて自己責任となります。
・経済状況の変化や競合の出現など、外部環境の変化に対応する必要があります。

4. 収入の安定性の違い

フリーランスと自営業では、収入の安定性にも大きな違いがあります。
1)フリーランス
●案件の変動による影響
・受注できる案件数や単価が常に一定とは限らず、収入が月ごとに大きく変動する可能性があります。
・需要と供給のバランスによって、収入が不安定になることもあります。
・景気変動やクライアントの業績など、外部要因の影響を受けやすいです。
●収入のピークと谷
繁忙期には多くの案件を受注でき、高収入が期待できますが、閑散期には収入が減少する可能性があります。
●貯蓄の重要性
・収入が安定しないため、生活費や税金などの支払いに備えて、ある程度の貯蓄が必要となります。

2)自営業
●初期投資とリスク
・店舗の賃貸、設備投資、在庫など、事業開始時にまとまった資金が必要になります。
・顧客獲得に時間がかかり、初期の収益は安定しない可能性があります。
・競合他社との競争が激しく、市場の変化に対応できないと、事業が失敗するリスクがあります。
●事業の成長と安定
・事業が軌道に乗り、顧客基盤が確立されると、安定した収入を得ることができます。
・多角化や新規事業の展開など、事業を拡大することで、収入の安定性を高めることができます。
●スケールの経済効果
・事業規模が大きくなるにつれて、仕入れコストの削減や効率化が可能となり、収益率の向上に繋がります。

〈フリーランスと自営業の共通点〉

フリーランスと自営業は、どちらも高い自由度と自己責任を伴う働き方です。多様なスキルを身につけることで、より幅広い仕事に挑戦し、キャリアアップにつなげることができます。

1.自由な働き方

●時間・場所の自由度
・オフィスに通勤する必要がなく、自宅やカフェなど、好きな場所で仕事ができます。
・自分のライフスタイルに合わせて、柔軟な働き方が可能です。
・時間管理も自己責任で行うため、効率的な働き方が求められます。
●働き方の多様性
・好きな時間に仕事を始めたり、休憩を取ったりすることができます。
・プロジェクトベースで仕事を進めることも可能です。
●リモートワーク
・インターネット環境さえあれば、どこからでも仕事ができるため、デジタルノマドのような働き方を選ぶ人もいます。

2. 高い自己責任

●仕事獲得
・自ら顧客を開拓したり、案件を探したりする必要があります。
・人脈作りや営業活動が重要になります。
●品質管理
・仕事の品質は、すべて自己責任となります。
・クライアントからのフィードバックを参考に、改善していく必要があります。
●リスク管理
・収入の変動や、クライアントとのトラブルなど、様々なリスクに対応する必要があります。
・自己成長:
・新しいスキルを習得したり、知識をアップデートしたりするなど、自己成長が求められます。

3. 多様なスキルが求められる

●専門スキル
・それぞれの分野で専門的なスキルが求められます。
・例えば、プログラミング、デザイン、ライティングなど。
●ビジネススキル
・契約交渉、見積もり作成、請求書発行など、ビジネスに関するスキルも必要です。
●コミュニケーションスキル
・クライアントとのやり取りや、他のフリーランスとの連携など、コミュニケーション能力が重要です。
●自己管理能力
・時間管理、タスク管理、ストレス管理など、自己管理能力が求められます。

〈フリーランスのメリット・デメリット〉

1.メリット

① 自由な働き方
●時間・場所の自由
オフィスに通勤する必要がなく、自宅、カフェ、コワーキングスペースなど、好きな場所で仕事ができます。
●ライフスタイルに合わせた働き方
子供の送迎や家事との両立など、自分の生活リズムに合わせて働くことができます。
●リモートワーク
インターネット環境さえあれば、国内外どこからでも仕事ができるため、デジタルノマドのような働き方も可能です。

② 多様な仕事に挑戦できる
●幅広い業界・職種
IT、デザイン、ライティング、コンサルティングなど、自分のスキルや興味に合わせて様々な仕事に挑戦できます。
●スキルアップ
新しいスキルを習得する機会が多く、自己成長につながります。
●キャリアの選択肢の広がり
一つの会社に縛られることなく、自分のキャリアを自由に設計できます。

③ 高い自由度
・仕事内容の選択: 自分の好きな仕事、得意な仕事を選ぶことができます。
・働き方の選択: フルタイム、パートタイム、プロジェクトベースなど、自分の働き方に合った仕事を選ぶことができます。
・顧客との関係性: 直接顧客とやり取りすることで、自分の仕事に対する価値を実感できます。

2.デメリット

① 収入の不安定さ
●受注の変動
案件の獲得数が月によって変動するため、収入が安定しない可能性があります。
●経済状況の影響
景気変動や業界のトレンドの変化によって、収入が大きく左右されることがあります。
●生活費の不安
収入が安定しないため、生活費のやりくりが難しく、将来に対する不安を感じる場合があります。

② 社会保障制度の不安
●健康保険
国民健康保険に加入する必要があり、会社員に比べて保険料が高くなる場合があります。
●年金
国民年金に加入する必要があり、将来の年金受給額が少なくなる可能性があります。
●雇用保険
雇用保険に加入していないため、失業した場合の収入保障がありません。

③ 孤独感
●人間関係
会社員のように同僚や上司とのコミュニケーションがないため、孤独を感じることがあります。
●相談相手
仕事上の悩みや不安を相談できる相手が限られている場合があります。
●モチベーションの維持
自らモチベーションを維持し、仕事に取り組む必要があります。

〈自営業のメリット・デメリット〉

1.メリット

① 大きな裁量
●事業の全権掌握
事業の企画、運営、経営など、すべての決定権を自分自身で持つことができます。
●自由な発想
自分のアイデアを自由に形にし、新しいビジネスモデルを創出することができます。
●自己実現
自分の能力を最大限に発揮し、自己実現を達成することができます。

② 高い自由度
●働き方の自由
時間や場所にとらわれず、自分のライフスタイルに合わせて働くことができます。
●仕事の選択
好きな仕事、得意な仕事を選ぶことができます。
●働き方の選択
フルタイム、パートタイム、副業など、自分の働き方に合ったスタイルで事業を行うことができます。

③ 成功すれば大きな報酬を得られる
●高収入の可能性
事業が成功すれば、高い収入を得ることができます。
●資産形成
事業を通じて資産を築き、経済的な自由を得ることができます。
●社会貢献
自身の事業を通じて社会に貢献することができます。

2.デメリット

① 大きな責任
●事業の成否
事業の成功だけでなく、失敗の責任もすべて自分自身で負う必要があります。
●リスク管理
経済状況の変化、競合の出現など、様々なリスクに対応する必要があります。
●精神的な負担
事業の成長のために常に努力し続けなければならず、精神的な負担が大きい場合があります。

② 長時間労働になりがち
●事業の初期段階
事業の立ち上げや顧客開拓など、初期段階では長時間労働になることが多く、プライベートな時間が取れない場合があります。
●業務の多岐にわたる
経営、営業、経理など、様々な業務をこなす必要があるため、長時間労働になりがちです。
●ワークライフバランス
仕事とプライベートのバランスを保つことが難しい場合があります。

③ 資金調達の困難さ
●初期投資
店舗の賃貸、設備投資、在庫など、事業開始時にまとまった資金が必要になります。
●資金調達
銀行融資やベンチャーキャピタルからの投資など、資金調達が難しい場合があります。
●資金繰りの不安
資金繰りが悪化すると、事業が立ち行かなくなる可能性があります。

〈フリーランスと自営業、どちらを選ぶべきか〉

どちらの働き方が自分に合っているかは、個人の価値観、スキル、ライフスタイルによって大きく異なります。 それぞれの働き方に、メリットとデメリットがあり、どちらが良いか一概に言えるものではありません。

1. 安定した収入を求める人

●正社員
給料が安定しており、社会保険も完備されているため、生活が安定しやすいです。
●副業
本業を持ちながら、フリーランスとして活動することで、収入の安定とキャリアアップを両立させることができます。

2. 自由な働き方をしたい人

●フリーランス
時間や場所にとらわれず、自分のペースで働くことができます。
●自営業
自分のアイデアを形にし、自由な働き方ができます。

3. 自分のアイデアを実現したい人

●自営業
自分のビジネスを立ち上げ、自分のアイデアを実現することができます。

4.フリーランスと自営業の比較

●フリーランス
・収入の安定性:不安定
・自由度:高い
・責任:契約範囲内の責任
・コミュニケーション:クライアントとのコミュニケーションが中心
・スキル:専門スキル、コミュニケーションスキル
・リスク:収入の変動、案件の獲得が難しい

●自営業
・収入の安定性:事業の成長次第
・自由度:高い
・責任:事業全体の責任
・コミュニケーション:顧客、従業員、取引先など、多様な人とのコミュニケーション
・スキル:経営スキル、マーケティングスキル、専門スキルなど
・リスク:事業の失敗、資金調達の困難

〈まとめ〉

どちらを選ぶべきか、あなたの価値観、スキル、ライフスタイル、目標によって異なります。フリーランスと自営業は、似ているようで異なる働き方です。それぞれのメリット・デメリットを理解し、自分のキャリアプランに合わせて最適な働き方を選びましょう。
弊社の「Yoake」はフリーランスや副業人材が、自身の能力を最大限発揮できるように、スキルアップ支援や案件サポート、独立支援など、多角的なサポートを行っております。Yoakeに会員登録いただくと独立時のメリット・デメリット、税制面でのTipsを集約した資料のお渡し、クローズドコミュニティへのご招待、専属担当による非公開案件紹介など様々な特典がございます。
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